宣戦予告。




「偏見はしかたないことなんだと思うんだ」

先輩は前にそう言っていた。


繋いだ手に、俺は少し後悔した。

「先輩。ごめんなさい」

俺と一緒になることで、先輩は不幸になるかもしれないんだと、俺は先輩に伝えた。
すると、先輩は、それは俺のセリフだったのに、と少し、むくれた。

「それに、お前といて、不幸だなんて、俺は、思わない」

「ちょ、俺も思わないですからっ」

じゃあ、お相子だ、と二人で笑い合った。

俺たちは知っていた。
ただ好きでいるのと、付き合っているのとでは、偏見の感じ方が全然違うことを。
だから、想いが通じてもなんにしても、相手の幸せを壊してしまうんじゃないかって。

「でも、俺たちは、馬鹿だった。好きすぎたんだ」

いつから、どうして、好きになったのか、俺達は話し合った。


そして、宣戦予告を交わし合った。


何があっても負けずに愛し合おうと。
先に投げだしたほうが負けだと。

ゲーム感覚で口にして。

本気で、誓いのキスをした。





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