無意識とは恐ろしい。
俺はいつの間にやら、先輩のお気に入りのひざかけをあろうことと抱きしめて、寝ていた。

「す、すみません!」

俺は、慌てて、ひざかけを先輩にかえした。

気持ち悪いと思われただろうか?
俺はビクついた。

すると、先輩は「寒かったの?」と尋ねてくれた。
だから、俺は「寒かったです」と答えた。

この時、俺は気づいてしまった。
先輩を大切にしたいなんて、嘘なんだと。
俺がずっと、恋心を押し殺してきたのは、ただ単に、嫌われたくなかったからなんだと。





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