増えて、何時か
=兄side=
心に降り積もる。
優しい言葉。
君が好きだよって……
主人公と恋人はまるで夢のなかにいるかのような恋をしている。
全て丸くおさまっていくお話だ。
本を読むのは苦手だった。
ただ、弟の小説だけは読めた。
感動した。
重なる部分が多かったからだろうか。
何作も、何作も、俺は受け止めた。
受け止めることができた。
君が好きだよって……
増えて、何時か
俺はその優しい言葉によりかかる。
似ていた。
お前と俺に。
そんなことはないとわかっていて、俺は吸い込まれた。
いいんだよって許されているような気持ちになれた。
お前を好きで、いても、いいんだって。
思えた。
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