=直人side=


怖くなった。

俺は取り返しのつかないことを
してしまったんだと、


感じた。


君に会うことなんて、出来るわけがない。

そんな都合のいいこと、したくない。


「え?」


窓の外に、岸和田がいた。


「直人、ちょっと、開けて」

「あ、待って、今、開けるから」


俺は突然のことに慌てて、玄関を開けに走る。


取れかけの引き戸を勢いよく開けてから、後悔した。



「た、かし…」



どうしたらいいのか、わからなくなった。


「元気そうで、よかった」

孝はそう言って、笑ってくれた。


だけど、


心配してもらう権利なんて、

俺にはない。





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