=直人side=


生きていくってなんだろうか?
俺はまた、自問自答しようとした。

だけど、答えなんて見つからない。


木曜日。
おじさんが家に来る日。
逃げ出したいと、考えながら、逃げだすことができない。
孝と付き合っているのに、こんなのはおかしい。
そうも思うのに、俺は、生きていたいと願ったんだ。
罪に溺れてしまっても、君のいるこの世界にいたいと、君と共にいたいと、願ったんだ。
嫌われてもいい。
ただ、君のいる此処に、俺はいたい。

「直人、久しぶり」

おじさんが玄関から入ってきた。

「久しぶり」

いちお返事をしておいた。

「今日もしてくれる?」

尋ねてくる意味がわからない。
しないと、家庭費をくれないくせに。


俺は黙って、膝をついた。
孝には悪いと思う。
だけど、何も、入れたりしないから、ぎりぎりセーフじゃないだろうか?
いや、そういう問題じゃないってことはわかっている。
わかっているんだけど、俺は自分を正当化できる何かが欲しかった。

やっぱり、俺は最低な人間なんだと思う。





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