大切にしていきたい。
壊したくない。
君を好きになれただけでも、幸せだと思えるくらい、
俺はずいぶんとものわかりがよくなってしまったようだ。

その日、直人とたくさん話した。
直人も俺もただただ似た者同士だった。
こうして話し合えば、なんか、とてもしょうもないことで、
悩んでいたみたいだ。

『俺は直人の見た目に惹かれたけど、
それがすべてだとは、思わないし、
優しさだけを求めるんじゃなくて、直人自体ほしい』

いつか、俺とひとつになってほしいと、俺は笑って見せた。
直人は顔を真っ赤にして、いつかは訪れない未来だ、とか、言った。

かわいくてしかたなかった。

本当に君が好きなんだと思った瞬間は、今朝のこと。
服が脱ぎ散らかされた部屋で、安らかに眠る君を見たとき。

子供みたいだった。
すねた子供みたいだった。

ちいさな力で、何かを必死に守っているような。

傷つき疲れてしまった姿だった。

『今朝だって、見たくせに』

そんな風に直人は俺に言ってた。
はっきり言って、何がそんなにも問題視することなのか、
わからなかった。

そもそも、あの時、生まれたままの姿だった君が、
俺に気付いた瞬間に、俺は逃げてしまったが。
別に、普通だと思う。
服を脱いで寝る人を否定するほど、俺は裸で眠る人を馬鹿にしているわけでもない。





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