こうして向き合うのはあの日以来
怖いんだ。
また、捨てられるんじゃないかって。
軽い気持ちじゃないかって。
君の言う「好き」と、俺の言う「好き」は違いすぎた。
あの日、俺はやさしくあろうとする心を捨てた。
やさしくない俺はいらないと君は言った。
悲しかった。
君が「好き」だといってくれたのは、
果たして、俺だったのだろうか?
人間は成長していく、生き物だ。
その日その日、変わっていく。
やさしい俺がすべてになることはなく、
君が全て、俺を理解しているつもりでいたとしても、それは
全くの間違いでしかない。
人の全てを知るなんて、不可能だ。
こうして向き合うのはあの日以来。
もう終わりにしようと決めた。
無視して、求めないことに、意味はなかった。
この問いに、答えてほしいと願う、馬鹿に出会ってしまった。
「俺のために死んで」
世界一、卑怯な、問い掛け。
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