「な、何って…」

俺は戸惑う。
あまりにも直人は真剣だった。

「答え、られないのに、気安く、そんなことを言うなよ」

「…………」

何てこたえたらいいのかわからない。

急に立ち上がり、走り出す直人。
俺はこの時、まわらない頭で、あなたを追いかけた。

「直人先輩」

店から出ても、何度、呼んでも振り向いてくれない先輩を、俺はひたすら、追いかけた。

そして、

「いつまで、ついてくるの?」

そう言って直人は立ち止まる。

「なんでって……」

「理由もないくせに、おってくるな」


淋しいって言っている。

誰か気付いてって。

あの日と同じ。

はじめて俺が直人を見つけた日と。

同じ……



「わからないから、知りたいんですよ」

俺に解けないパズルはなかった。
いつも完成するのをドキドキしながら、楽しんでいた。

はじめはいい加減だった。
あなたを好きだなんて、いい加減な気持ちでいっていた。

だけど、


「あなたの全て調べて見せます」


だけど、だけど、もう、

違うんだ。

純粋に好き、なんだ。





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