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=神崎side=
今日が休みでよかった。
朝、目が覚めた俺は、とにかくそんなことに安堵した。
こんな状態じゃ会社に行けたものではない。
とにかく腰が痛い。
痛いんだ。
昨日から今朝にかけて、ケイにされたせいだ。
好きだとか、どうだとか、そんなこと以前に、こんなのは間違っている。
俺はそう思う。
なのに、拒否できなかった。
俺は、心のどこかでケイにこうされることを嫌だと思わなかったんだろう。
末期。
ああ、こんな俺が嫌になる。
だけど、こうして、今、一番そばにケイがいることが何よりもうれしい。
馬鹿だ。
でも、俺、ケイがいてくれたら、それでいいのかもしれない。
他に望むものなんて何があるって言うんだろう。
いつも、行為の後、どんなにひどくしようと、俺の手を握って眠るケイが好きだ。
ずっとこのままでって、思ってしまう。
無理なご要望かもしれないけど。
だけどさ、これではっきりしたんじゃないのだろうか?
ケイは俺のこととかよりも、何よりも。することばかり考えているんだ。
きっと。
だから、俺はこんな気持ちを捨てるべきである。
だって、だって、真剣になられたら、重い。
俺だってそれくらいはわかるんだ。
ああ、わかる。
だから、悲しい。
だから、淋しい。
「あのね、俺、ケイのこと好きだから」
直接本人には言えないけども、俺は呟いた。
案の定、ケイは起きてはいなかった。
何をしているんだろうな。俺。
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