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=ケイside=
心から反省していた。
無理矢理にしてしまったことへの罪悪感とか、今さらながら、あったりして。
なのに、直太郎は何もなかったかのように、いつも通り、俺に笑いかけてくれる。
どうしてなのか…
意識してくれてないのかもしれない。
こんなのはなんともなくて、別にどんなにされても平気なのかもしれない。
直太郎は俺のことなんて、どうも思っていないのかもしれない。
だって、はきっりとは聞いてないのだから。
そう、悪いのは俺だってわかってるんだ。
でもでも、俺は子供で、ついつい試してしまう。
何処までなら、許してくれる?
何処までなら、嫌わない?
ガキだ。
完全にガキ。
直太郎のことなんて何も考えていない。
ただ自分のことばかりだ。
わかってんのに、どうしても俺は求めてしまう。
約束が欲しい。
ずっと一緒にいられる約束が。
俺から、離れていかない、確信が欲しい。
好きなんだ。
なのに、どうしてこうも、俺は…
俺は、こんなことでしか伝えられないのだろう。
ひどくするたびに、俺は直太郎が愛しくて仕方なかった。
俺はこんなにも愛しているんだと直太朗のなかに刻みつけたかった。
消えないものになればいいのに。
俺だけを見ていてくれたらいいのに。
でも、こんなのは間違っている。
そんなことは俺自身が知っていた。
ただ止められなかっただけ。
この溢れる衝動、を。
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