3
自宅に着くと、ケイが待っていた。
少し前なら、ご飯はまだかとか聞いてきてうるさかったが、最近は、何も言わずに俺を見つめては、楽しそうに笑うのだ。
だが、今日は、自宅に入った瞬間に、押しこまれた。
そして、無理やりに唇をふさがれ、俺は何が何だかわからなかった。
しばらくして、ケイが、強く俺を抱きしめて、行為に移ろうとしているのを見て、
ぞっとした。
反面、このままずっと、ケイと繋がっていられたらいいのにと、考えてしまい、
ろくな抵抗もしないままに、
また、朝を迎えた。
正直、俺はわからない。
ケイは俺のことを好きだと言ったが、それは本当なのか。
からだばかり求められている気がして、ならない。
本当はケイは淋しいだけで、それをいやそうとしているだけなのかもしれない。
泣きたくなった。
なんで、こんなことでこの俺様が泣かなくてはいけないのかわからないままに、俺は、泣いていた。
こんな関係は間違っていると思うが、どうしてなんだろうな。
ケイが握り締めている俺の手を取ることができない。
このままこうしていたい。
離れていきたくない。
でも、
手はこんなにも絡んでいても、
心が絡むことはないのかもしれない。
だって、俺は本音を語らない。
だって、俺は怖くてケイの気持ちを確かめることができない。
それはもう終わってるってことだろう。
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