大好きだと言って





=ケイside=


不安になる。
直太郎は、俺のこと、好きなんだと思っていた。
でも、実のところはどうなのか…

肌を重ねれば、一つになれば、何か、はじまるのだろうか?

何も変わっていない気がする。
俺が、直太郎に、好きだと知らしめたこと以外、何も変わっていない気がする。
何も…何も…


ああ、でも、実際に、直太郎は、好きでもない奴を、小池さんのかわりに抱いていたのだから、俺にされたくらいで、どうってことないのかもしれない。
だいたいさ、軽いと思う。

普通、無理やりにされたら、距離をおかないか?
俺が震えながら、謝っても、気にしてないとか言うし…


でも、さすがに二度目はないのかもしれない。


俺は、昨日のことを思い出しながら、一人、リビングにいた。
今日は大学はお休みで、特に何も考えることがないから、
ずっと、そんなことばかり考えて、不安になる。


俺は、直太郎は、俺のことが好きなんだと勘違いをしているのなら、
どうしよう。どうしたらいいのだろうか?
直接、直太郎本人から「好きだ」とか言われたことはない。
なのに、俺は…


お昼の番組をよそに、俺はトイレに向かった。


本当に、俺は何をしているのだろう。


たまらなくなるくらいに、直太郎にはまっていた。





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