君がいてくれたように
=小池side=
君がいてくれたように、俺は君の中にいましたか?
だったら、嬉しいです。
少しでも君のためになれたのなら、俺は幸せです。
そうなんです。
はじめは、それでよかったはずなんです。
なのに、
「俺、ぐちゃぐちゃな感情で、いつか、本当に、今もそうかもしれないけど、丹羽を傷けてしまうかもしれない。でも」
君がいてくれたように、
丹羽が、俺のことを必要だといってくれるのなら、
俺は君のとなりにいたい。
丹羽は
それでもいいです。
好きなんですよ
と言って、笑ってくれて、
俺は、どうしてこうも自分ばかり幸せなんだろうと思う。
「今なら、まだ、俺、丹羽のこと」
諦めることができるかもしれない。
そう言おうとしたら、丹羽が
「いつまでも、放しませんよ」
と、俺の手を握った。
俺は幸せで、戸惑いなんて、どこかに忘れてきたようだった。
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