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すると、ケイはすこしして、まさかだと思うけど、と前置きをして
「その丹羽って、犬っぽい?」
とか、聞いてきた。
「なんなんだよ、急に」
俺はわけわかんなくて、切れかけた。
俺にあれだけ、ヤキモチやいておいて、なに、急にそんなどうでもいいことをいいだすのかな、ケイは。
全くもう。
でも、嫌いじゃないし。
俺も末期だ。
そう思いながら、ケイの方を見ると、奴は卒業アルバムをそのへんから持ってくると、中身を見始めた。
俺は何がしたいんだ。そう、聞こうとした。
が、ケイは「こんな感じの顔してない?」と俺の方に、
丹羽永太という、名前の少年の顔写真を見せてきた。
そっくりだった。
「てか、本人だ!」
「まじで!?」
「なんでなんだよ、ケイ!?」
「しらねーよ」
俺はマジマジと高校時代の丹羽を見た。
「水戸侑もいるじゃん」
ふと、俺は丹羽の斜め後ろにいる水戸侑くんを指さした。
すると、ケイは「そうだけど?」と眉を寄せた。
俺、何かしましたか?
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