3
「……あ」
だめだ。
こいつも同類だ。
「水戸侑くん。ケイに気があるなら言っといてやる。俺が許さない。と、いうか、あいつはやめとけ。うん。そうだ。あんなわがままちゃんは水戸侑くんにちょっと重いぞ?」
「え、な、わか」
え、なんで、わかったんですか?
と、たぶん、そう、聞きたいのだろう。
「見れば、わかる。同類だってことくらい」
「ああ、そうですか。あはは」
「いつからだ」
「大学1年生の時からですよ」
「あれのどこがいいわけなのか?」
「楽しむことを学べって言ってくれたんです」
それ、昔、俺が、ケイに言った言葉だ。
「限界とか、いろいろあるし、大変だけど、楽しむことを知っていたほうがいいよって」
水戸侑は愛おしそうに笑った。
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