「気づいてくださった方もいるかもしれませんが、この話はここで終わりではありません。ですが、続きはありません。僕はあたえられるだけのひなどり、とう最後のセリフは、いろんな意味が込められいてます。たとえば、諦め、ひらきなおり、または、皮肉。ですが、僕は、これを希望にしたいと思っています。このひなどりちゃんは、ここから、あたらしく変わって行けるんです。気づくのが遅すぎたとか、そう思うかもしれませんが、今さらにしてもこうやって、気づいた。そのことを大切にして、無駄にしないように、ひなどりちゃんはきっと…」



ケイは一息ついた。


「変わって行けるんだと思うんです」

それはむずかしいことかもしれませんが、とか言いながら、笑う。


観客も、舞台も、俺も、いつの間にか、ケイの話に飲み込まれていた。


これは後になってからの話だが、その日を境に、リーマンをやめて、自分探しの旅に出る大人が後を絶たなかった。

インターネットでもなぜがその時の動画が配信されていて、
再生数が半端ない。


また、何人も、何人も、次から次へ、みんな自分の夢とか、語り出す。


社会現象にも、なったみたいだ。
ニュースでもとりあげられた。
脚本を書籍にしたいという話もきた。
リメイクして、映画にしてみたいだの、ドラマだの、
いろんな信じられない現象になった。


職場に行けば、小池がきらきらして「ケイ、すごいね」と言って、
よくわからんのだが、手土産を渡してきた。
丹羽に関しては、メアドを、atahina-nikoniko〜なんとかかんとかになっていたし。

なんだっていうのだろうか。

俺はくすぐったいような、置いて行かれたような


よくわからん感情になる。





[*前] | [次#]
目次に戻る→


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -