「何もされていない」


「え?」


俺は、正直に答えた。


「直太郎は、何もしていない。俺のこと気にして、気をつかって、不愉快になること何もしない。だから、俺は気にくわないんだ。ね、直太郎。俺って、邪魔?」


「邪魔って…」


「ここにいらないって意味だよ」


そうだ。
俺は父さんにも、母さんにも、いらないと言われたんだ。
いや、直接言われたわけではない。
ただどう考えても、この状況になって、嫌でもわかる。

きっと、俺は誰からも必要とされていない。


「どうして、嫌ってくれなかったの?」


俺はさんざんなことをしてきたのに。
直太郎は、眉をよせて、やめなさい、と言うだけで、
ひとつも俺のこと嫌いになってくれなかった。


嫌ってくれてたらいいのに。
嫌って欲しい。

本当は好きになってほしんだけど。


それが叶わないなら、嫌って欲しい。


何の関心も持たれなくなるのは嫌。





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