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こうして、お友達になった俺たちは、日々、一緒にお昼を食べていた。
小池のなかに俺がいる。
そう、思えただけで、嬉しかった。
今、小池の前にいるのは、まぎれもなく俺なんだって。
嬉しくて、嬉しくて、忘れていた。
ケイはどんな気持ちだったんだろう。
引きとってしばらくして、俺は完全にケイをほったらかしにしていた。
ケイが何かを話してきても上の空で。
明日はどういった店に小池と行こうかなんてばかり考えていた。
保護者として失格だったと思う。
だけど、俺は言い訳だけは上手で、いろいろと自分を正当化して。
そんな自分が嫌で、でも、どうしようもなくて、
逃げていた。
考えないようにしていた。
それでも、限界だったのかもしれない。
「な、小池。俺、今さ」
俺は説明した。
俺の生い立ちも、同居人のケイのことも。
そして、
めんどうなことから逃げてばかりの自分のこと。
包み隠さずに話した。
すると、小池は
「逃げることは悪いことじゃないよ」
と言ってくれた。
本当に悪いのは責めてしまうこと、
そこから、動けなくなってしまうこと、だって。
小池は俺に言ってくれた。
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