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カレー星人だったっけ?
そう、今にも壊れそうな店で、俺は、小池とはじめての相席をした。
と、いうか、その店にあるのは机ひとつに椅子二つだった。
「あの、相席でもよろしいですか?」
小池の後から店に入った俺に綺麗なおねいさんは言った。
瞬間、俺は固まった。
嬉しいんだけども、俺はどうしていいのか、わからなくなっていた。
きっと、口をぱくぱく、なさけない面をしていたに違いない。
「あ、俺はいいですよ。えっと、神崎くんだよね?」
「そ、そうです」
「お知り合いなんですか? じゃ、こちらへ」
「あ、はい」
じゃ、の意味がわからず、俺はとにかく、何もわからず、
どうぞ、と笑う小池の前に座った。
俺はまじで緊張していた。
が、
小池は、はじめまして、とか普通に言いながら、俺に握手を求めてきた。
にっこりと笑ったその顔が可愛いと思った時には、もう、俺は君の手を握っていた。
運命だと思ったんだ。
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