逃げることは悪いことじゃない
面倒なことからは逃げるのが俺だった。
そもそも関わらなければ巻き込まれたりしない。
だから、お節介はしないようにしていた。
そんな時、とんでもないお人よしに俺は出会った。
小池だった。
無駄に気を配っていて、それが上手くいかず、
いろいろと大変な目に合っていた。
馬鹿だと思った。
何をそんなにも頑張る必要があるのか、と
俺は小池を馬鹿にした。
いつも、
小池は笑っていたからだ。
何事も正面からぶつかって、は躓き、
また、笑いながら、
前向きに…生きて…。
馬鹿だと思った。
いつもへらへらして馬鹿だと俺は思った。
だけど、
ある日、職場に忘れものを取りに帰った俺は、
一人、オフィスで泣いている君を、見てしまった。
俺は、自分を恥じた。
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