「はいはい」


俺はついには頷いた。

以前、俺も似たような境遇を味わったことがある。

そもそも、このパパはいくつになっても
そうやって女をつくっては
前の女との子どもは投げだしにするんだ。


「そのかわり、しばらく軽がると俺の前に現れないでくれ」


正直、迷惑だ。

父親の愛情なんてばからしい。
そう思いながらも、求めてしまうんだ。


淋しいのかもしれない。

どうしようもなく孤独だった。


だから、今回の被害者のケイちゃんにはすこしでもまともな生活をさせてやろうと、思った。

幸いにも、俺には金があった。



が、しかし。

あんなにもおとなしいと言われていたケイくんはしょっぱなから弾けておられた。

勝手に人ん家の冷蔵庫を開けて、勝手に人のプリンを食した。


だいたい、好きにしてくれてもいいから、と言うが、そんなにも好きにされたら、困る。


いや、実際、そこまで、困るわけじゃないけど、なんていうの、少し、とっつきにくいと思ってしまったからだ。


だらか、困った。





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