のんびりなふたり






 休日は大抵ナルトはカカシ宅に居座り、ふたりでダラダラと過ごしている。

 麗らかな午後の日差しが差し込むリビングに寝転がり、ナルトは陽に当たりながら、先日買った料理雑誌を読んでいた。

「カカシセンセー。今日の夕飯、何食いたいってば?」

 料理の出来上がり写真に、美味そうと感想を零していたナルトは、同じ部屋でまったりと寛いでいる恋人に話しかけた。

「ん〜?天ぷら以外なら何でもいいよ?」

 ソファーに横になり、飽きもせず愛読書を読み耽っているカカシは、気のない返事を返した。

「何でもいいが一番困るんだってばよ…」

 ぶちぶち文句を口にして、ナルトはソファーの前に腰を下ろす。
 そしてカカシに料理雑誌を見せてみた。

「なぁセンセ。こんなかでなんか食いたいのあるってば?」

 カカシ好みな料理が載っているページをナルトはわざと見せて、食に興味の薄いカカシにメニューを選ばせようと試みる。

「ん〜?どれも美味しそうだねぇ。けど、お前が食べてみたいので構わないよ?」

 あくまでも料理を作るナルトを尊重して、カカシはニッコリと微笑み、ナルトの肩口に腕を下ろした。
 雑誌を見せても結局選んでくれないカカシに苦笑いを零したナルトは、それならと提案してみる。

「んじゃ、これなんかどうだってば?」

 ページを指さしてナルトは後ろにいるカカシに訊いてみた。
 実はその料理がどんなものなのか、ナルトは前から気になって仕方がなかったのだ。
 カカシが決めないのなら、自分が気になるそれを作ってしまおうとナルトは考えた。
 それにカカシの好みからも外れていないはず…と嗜好を考慮した上での提案だったりする。
 ナルトが指さすその料理の写真を、覗き込んで見たカカシは嬉しそうに顔を綻ばせた。

「あぁ。いいねぇ〜美味しそうだ」
「じぁさ。早速今晩作ってみるってばよ!!」
「ん。楽しみにしてーるよ」

 相好を崩したまま、カカシはナルトの頬にキスを贈る。
 触れるだけの優しいキスの雨に、擽ったそうにしてナルトは小さく笑った。

「んじゃ材料メモって、早速買い物行こうってばよ!」
「あぁそうだねぇ。美味しい夕飯楽しみだなぁ」





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