いつ呼び出しをされるのか、気掛かりで仕方がなかった所為で、任務中だと言うのにソワソワとしてしまう。
 そんな俺の態度に、事情を知らないテンゾウが怪訝な顔を向けてくるけれど、そこは敢えて無視をする。
 任務をこなしながら、待つこと数時間。
 ナルトなら巻物を受け取ったら、直ぐにでも呼び出すに違いないと思っていた俺の予想は見事に惨敗に終わる。
 定期連絡は昼前には里に着く筈だから、遅くとも昼過ぎには口寄せされるんじゃないかと、思っていたのに。
 昼も過ぎ、麗らかな午後も過ぎて、そろそろ陽も傾く夕暮れ時になっても、一向に呼び出される気配がない。
 もしかしてナルトも任務に赴いていて、まだ綱手様から渡されていないのかも…と考えもする。
 ナルトはまだ下忍だから請け負える任務レベルが低い。もし任務に出ていても夕刻若しくは夜までには里に帰って来れる筈。とならば、こっから先に口寄せされる可能性が高そうだ…と新たな予測を立ててみた。


 ま、あの子は意外性No.1だからな…どうなるかは解らんけど…


 そうこう考えてる内に、ターゲットに動きがあったらしい。
テンゾウからの合図がきて、俺はターゲット確保に尽力を注いだ。

★★★



 陽もすっかり落ちた頃。

 漸く任務も粗方片付いてきた。後は細々とした後始末ぐらいだから、今日中には何とか里に帰れそうだ。
 あれから随分時間が経ったけれど一向に口寄せされるコトはなくて、里で何か起こってるのか、ナルトに何かあったのか…とさすがに俺も不安になってきた。
 パックンを呼び出してみようか…と思って印を結ぼうとした矢先。突然強い引力に引っ張られるみたいな感覚が俺に襲いかかる。

 この感覚は……口寄せ、だね

 やっとお呼びが掛かって胸を撫で下ろしつつ、時空間内に身を委ねた。

 ほんの僅かな時間で、巻物が開かれた場所へと辿り着く。

 どうやら…ナルトんちみたいだね。

 「やーっと呼ばれたよ」

 待たされた時間が長かったから、思わずぼやきを零す俺の耳に、ずっと聞きたかった愛しい人の声が届く。

 「カカシせんせー!!」

 驚いたような顔で俺を見ていたナルトは、次の瞬間嬉しそうに顔を綻ばせた。
 マスクを下げ素顔を晒し、俺もナルトにしか見せない極上の笑顔になる。

 「誕生日おめでとう〜ナールトv」
 「せんせーありがとってば。…つうかマジで?マジで本物だってば?!」

 ぺたぺたと俺の身体を触って、本物かどうか確かめていたナルトは、漸く納得したのか小さな子供のように躁ぎながら俺に飛びついてきた。

 「はいはい、本物ですよ〜」

 勢い良く飛び付いてくるもんだから、多少よろめいたものの、俺は愛しい恋人の身体をしっかりと抱きしめる。
 するとナルトが同じぐらいの強さで俺を抱き返してきた。
 「せんせー、せんせー…」
 小さな声で俺のコトを呼びながら、ナルトが胸元に頬摺りをしてくる。
 そんな可愛いナルトを腕に抱き囲いながら、柔らかな金の髪を優しく撫で梳いた。

 こうしてやるといつだってナルトは、気持ちよさそうにうっとりと眸を細めて俺に身体を委ねてくるんだよねぇ。

 ホント可ー愛いいんだから、ナルトは…

 すっかり身体を俺に預けて甘えてくる可愛いナルトに、愛しさを込めて、目の前にある旋毛辺りに唇を寄せて、幾つものキスをする。


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