HONEY's birthday






 今日はナルトの誕生日

 本来であれば、今頃ふたりっきりでイチャイチャしまくりながら、甘〜い甘〜い誕生日会をしてる筈なんだが…

 生憎と俺は現在、里には居ないんだよねぇ。

 原因は急に入った任務の所為なんだけど。
 誕生日より5日も前だったし、メンバーも俺とテンゾウ、気心の知れてる後輩暗部2人だったもんだから、Sランク任務でも早く帰れるだろうと高を括って、この任務を請け負った。
 ところがだ。
 俺の予測と反して任務は難航。5日経った現在、ナルトの誕生日当日の朝になっても、未だ任務中だったりする。

 ナルトにも「誕生日までには帰ってくるからね」、な〜んて云ってきたのに…

 このまま誕生日に何もしてやれないなんてコトはすこぶる嫌だし、ナルトもきっと俺の帰りを待ちわびて寂しがってるに違いない。

 焦った俺は取り敢えず、綱手様への定期連絡に紛らせてナルト宛の巻物を用意した。
 先に誕生日ケーキだけでも届けたくて、急いでケーキを買いに行ってから、パックンを呼び出す。

 「なんじゃカカシ、任務か?」
 「いや…私的な用で悪いんだけどねぇ。ちょっと頼まれてくれないかな?」

 怪訝な顔をしてるパックンに、諸事情を説明してナルトを祝うための協力を仰ぐ。快く承諾してくれたパックンに俺はケーキを預けた。

 「おっと…こいつもだった…」

 ポーチにしまっていた重要な物のコトを思い出す。

 危ない危ない…肝心な物を渡し忘れるところだった。

 「巻物…?なんじゃコレは?」
 「ん?ああ、俺を口寄せ出来る巻物だよ」

 ケーキだけじゃ味気ないし、かといってプレゼントは自宅だし。(当初は俺んちで祝う予定だったから、当然プレゼントは持参してきてる訳がないしね)
 それに。
 せめて「誕生日おめでとう」ぐらいはその日の内に直接云いたかったから、短時間だけ俺を口寄せ出来る巻物も用意した。

 「今後の予定とか直接ナルトと話したいから、忘れずに渡して頂戴」

 怪訝な顔してるパックンに簡単な説明をすると、頼もしいパートナーは呆れもせず頷いてくれる。

 「了解した。これくらいお安い御用じゃ」

 誇らしげに胸を張る頼れるパートナーの姿に俺は自然と笑顔になる。

 「そろそろ戻らないと不味いな…。それじゃ、パックンそっちは頼んだよ」

 「ああ、お主は気を付けてな」

 パックンに頷くと、テンゾウと他メンバーが待つ待機場所へと急いだ。
 一刻も早く任務を終わらせる為に…



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