青空を眺めて深いため息をついた。


戦争になる。
サガは言った。誰も口にしないだけでもう分かっている。


天界は止まらない。
聖域も止まらない。

第二、第三の聖戦はいつまでも続いていく。この世界から争いを完全に消し去ることなどできない。


止める術は本当に無いのか。

ニケは聖戦もティタノマキアも止めることはできなかった。
ただいつだって勝利として存在しただけだった。

それなら私は?またニケのように安寧と守られて生きる?


まさか。
そんな人生くそくらえだ。自分で何とかしなきゃいけない。サガも言っていたじゃないか。私が、私のできることを見つけなきゃ


サガには絶対に死なれたくない。デッちゃんや沙織にも、シオンだって、アイオロスだって、皆同じだ。

守るとサガは言ったけれど、私だって皆を守りたい。そのために私はここに来たのだから。

私にできること。
女神の小宇宙を持った私にしかできないこと。


ゆっくりと立ち上がって天空を見上げた。
天空神、大神ゼウス。


彼は、やはりとても遠い場所にいた。

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