窓を開ける。

冷たい風が部屋に吹き込んできたが、それでも澄んだ青空は心地よく、腕を頭上に伸ばして大きく伸びれば部屋にいた女官さんが笑った。「ニケ、お腹が見えていますわ」「うわっ、恥ずかしい!ごめんなさい」「いえいえ」、くすくすと笑う美人な女官さんに少し恥ずかしく思いながら服を整えてお腹を隠した。

そして鏡の前に行き、服装が乱れていないことを確認。おーけー、問題ありません、ということで出発することにする。壁にかかった時計は6時半を少し過ぎたころだった。そろそろちょうどいい時間だ。女官さんを振り返れば彼女は頷いて立ち上がる。

「行ってきます!」
「行ってらっしゃいませ、ニケ」

微笑みを浮かべた女官さんに手渡された、聖域へ来た時に持ってきた旅行用の鞄を受け取り部屋から駆け出した。

今日は久しぶりに日本に戻る日なのだ。家族にあって、会社に顔をだし、それから友人にも久しぶりに会いたい。久しぶりに行きつけのお店に行ったり買い物を楽しんだり、それから沙織と二人で遊びに行く約束もしているのだ。久しぶりの帰郷はなんだか楽しくなりそうな予感がした。

1/3