随分と賑やかな声が扉越しにも聞こえる。

それに一瞬引き返したくなったが、困った顔をした兵士さんを見てやはり進まなければ駄目かと肩を落とした。それを見て苦笑した兵士さんに苦笑を返して扉をあける。

そうしてやはり溜め息をつきたくなった。いつも通りの大騒ぎだ。いい年をした大人たちが揃いもそろって毎朝こんなに騒いで一体何がしたいのか…。

「こいつ、昨日散々飲んで一人で先に帰りやがったんだ。そのせいで会計は全部俺もちだぞ、信じられねえ!」
「俺は先に帰ると言ったぞ。そもそも勝手に飲みについてきたのはお前だろう。俺は静かに飲みたかったのに」
「ところで私の薔薇が折れていたんだけれど、誰がやったんだい?今ならブラッディローズ一本で許してやろう」
「お前たち静かにしないか、もうすぐ女神と教皇がいらっしゃるというのに!」
「お前が一番うるさいぞ、サガ」
「兄さん、ハチマキが落ちている」
「あれ、ありがとう、リア」
「まったく…、シオンがもう少し早く来てこの騒ぎを納めればいいものを…」
「そういうな、ムウ、教皇もお忙しいんだ」
「ふむ、私としてはそんなことよりもそこで立ち尽くしている彼女をどうにかしてやるべきだと思うのだが、どうかね」
「なまえじゃないか」
「そんなところに立っていないで、こちらに来ると良い」
「はあ、すいません」


取り合えず挨拶をしながら呼び寄せてくれたカミュの隣に立つ。

うーん、この身長差。
周りから見れば、高校生の中に幼稚園児が紛れているように見えるんじゃないか。違うんだ、私が小さいんじゃない、この人たちがでかいんだ。それにしてもスタイル良くて羨ましいな。身長ちょっと分けて欲しいくらいだ。


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