どこまでも続く青空の下を永遠と走る。

「…サガ!」
「分かっている」

ふいにこちらを見たカノンに頷く。
なまえの小宇宙が燃えるのを感じた。

見上げた先に小さな神殿を見つけてそちらに駆けだす。

「カノン、お前は先に進め!!」

一刻も早くアテナのもとへ迎えと言った私にカノンも頷いて駆け出す。
私はまずなまえを助けに行かなければならない。


すぐに離れて行った弟の小宇宙を感じながら神殿に向かった。
バタバタと物々しい音を立てて駆けつけてきた雑兵たちをなぎ倒していく。雑魚に構っている暇はないというのに、わらわらと集まるそれにいい加減嫌気がさしてくる。

「命が惜しければ引っ込んでいろ!」

そう怒鳴りつけ雑兵を牽制する。

「私はこの先に行かねばならぬ。どかぬのならばどかせるまで」

この先の神殿には確かになまえの小宇宙が存在する。
もうすぐそこに彼女がいるのだ。こんな場所で立ち止まっている暇などない。

多数で勝てると思っているのか、槍を持ち出した雑兵に笑う。
聖闘士相手に、ただの雑兵など何人集まろうと敵うことはありえない。

だが分からないというのなら、分からせるまでだ。
その時に、まだ命があるかどうかは保証できないが。


小宇宙と同じように腕を振り上げ、そして目の前に迫った彼らに対し銀河の星々さえも砕くそれを放った。

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