「!」
サガの小宇宙が近づいていることに気が付いた。
とにかく距離を置きたい。
私はまだ恋愛が怖い。
そんなものはしたくないし、それでもサガの傍にいたい。矛盾しているけれど、彼の傍にいたいというのは本心だった。
だから、そのためにこんな気持ちはやっぱり消してしまうべきなのだと思う。
私だしね!男の人に好かれるような人間じゃないからね!せめて友達として傍にいたい。
自分で言っていて悲しくなるし嫌な女だと感じるが、恐らくそれに間違いはないと思うからとにかく走った。
彼の小宇宙から離れるように、走った。
そして気づく。
(追いかけてきている!!)
いつもなら、サガは私が逃げるようにその場を離れても追ってくることはなかった。けれど、今日は様子が違うらしい。
それからもう一つ言わせてもらうと、
(…早!!!)
本当早くオリンピックに出ればいいのに!!あっという間に近づいてくる彼の小宇宙を探りながら、ともかく足を前に進めた。
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