「ラダマンティス…?」
「これは…、パンドラ様、このような場所へ何か御用ですか」

背後からかかった凛とした声に振り向けば、想像していた通りの人がそこにいた。僅かに驚いたような顔をしていたパンドラ様だったがすぐに焦りを顔に浮かべて口を開いた。

「お前こそ、このような場所で何をしている!?聖域から女神が来るのだろう、私はお前を案内人としていたはずだ!早く行かないか、もう時間が、」
「いえ、それがパンドラ様」

そうだ、ハーデス様が聖域から勝利の女神を招いたということは知っている。そしてパンドラ様が俺を冥界の案内としたのもよく承知の上だ。だが事情が変わったのだと言えば、彼女は眉を潜めた。

「何?」
「それが、……」




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