彼と埋没と蜃気楼
※高校生になりました
「かーぜまる!一緒に帰ろーぜ!」
わざわざ他のクラスからガラガラと扉を開けて叫んだ円堂。クラス中に響き渡る声に最初の頃は恥ずかしくて仕方なかったなあ、と思い出してつい苦笑いした。近くまで歩いてきた円堂が何笑ってんだよー、と不思議そうにこちらを覗き込む。
「何でもない、帰ろうぜ。」
ガタリと椅子を引いて思いエナメル鞄を肩にかけて教室を出た。
◇
「皆、変わっちゃったなあ、」
ぽつりと円堂が零した。え、と聞き返すと笑みを零しながら言った。
「中学の時から、って事だよ。俺はあの頃が一番…」
最後まで言わずとも分かるだろうと口を閉ざした円堂は過去に依存してるんだろうと何処か遠くを見て考えた。円堂は過去が生み出してしまった産物なのかも知れないな、と少しシリアスちっくに考えてみる。
過去の一部と成り果てた円堂は悲しそうな顔。
もう一度、ぽつりと呟いた。
「変わっちゃったんだ、なあ…」
思わず、口を出した。
「変わらない物だってある。」
何故かこの言葉はハッキリと頭の中で浮かんできた。訳が分からない、と困った顔をしている円堂にふ、と笑みを零していった。
「俺とお前の関係は、どこまでお互いが変わろうと変化する事はなかっただろ?」
幼馴染み、で恋人。
その関係は自分が陸上と迷った時だろうと怪しい水を使えば、なんて宇宙人に勝てなくなって言い出した時も、力に溺れた時も、世界一になった時も。
ずっと変わらないものだった。
「…確かに。」
「勿論これからも変わる気は無いだろ?」
「当たり前!」
ぐい、と水色の髪がかかっている肩を抱き寄せて耳元で囁いた。
「愛の表現方法は、変わったかもしれない、けどな?」
一気に顔が真っ赤になる風丸にくつくつと笑うと、何言ってるんだ!と怒鳴られた。
彼と埋没と蜃気楼
(エッチんときはあんなに可愛い声出すのに…)(…………円堂、そろそろキレるぞ、俺。)
チバさんに捧げます!!あんな素敵な円風貰ってしまい何だかこんな駄文でいいのかと…。
ちなみにチバさんの文で萌えたぎったので円風を書いてみました!!本当にありがとうございました!
相互して下さるなんて……優しすぎますよーーー!!!…大好きです(ボソッ)
これからよろしくお願いします!!