怪我











「っつ、」


ある日豪炎寺が怪我をした。俺とボールを蹴りあっていた際に蹴り所が悪かったらしい。あまり大した怪我では無さそうだが大事に至ったらそれこそ試合が危機的状況になる。日本のエースストライカーなんだから少しは気をつけろ、と声をかけた。


ふとマネージャーを呼ぼうとしたが夕食の用意とかで全員いない。これは考えなければいけないな、と頭に刻み込みながらベンチに置いてあった救急箱を走って取りにいく。



奴のミスだとしても少なからず自分に責任はある。そして専門の医療の知識があるのも自分だけだったので誰にも頼まずに豪炎寺に足を見せろ、と一言呟いた。



「すまない、」





「気にするな。足を怪我して試合に出られなくなっては困る。」






そんな会話を交わしながら手際良く靴を脱がしていく。靴下まで脱ぐと日焼けをしてない白い部分がすらりと出てきた。一か所赤く腫れているところを軽く叩くと、いっ、と痛そうに顔をしかめた。



コールドスプレーを当てつつ湿布を張ろうとしたその瞬間。




「ぐはっ!」









何かすごい音が向こうからした。なんだろう、と二人で顔を見合わせてからそちらに向けると、鼻血らしきものを出して地面をバシバシ叩きながら訳の分からない単語をしゃべっている円堂が。どうしたのかと思い声をかける。



「「円、堂…?」」






「ぐはあっ!〇¥$¢£◎●☆§〇ーっ!!」





「……………は?」







体調が悪いのか、と心配になってまた声をかけようとした俺達にヒロトが無駄に良い笑顔で気にしなくて良いよ、と肩を叩いた。気にしなくていいといわれても気になるのが人間。しかしこの様子だと答えてくれなさそうだと思いせめて原因を聞こうと思った。


「なんで円堂があんな風に?」





「それは君達が"キャプテンの花"だからだよ。」




ふふ、と相変わらずな意味深な笑顔でヒロトは答えた。キャプテンの、花?




「なんだそれは…」



ぼそりと呟いた言葉に答えてくれる人は誰もいなかった。


「鬼道。」




「なんだ?」



「流石に、冷たい。」




その言葉に気付いたがずっとコールドスプレーを当てたままだった。よくここまで我慢できたな、と豪炎寺を見つつすまない、と謝る。キャプテンの花、花……………?





「豪炎寺、」




「何だ。」



「キャプテンの花、という言葉を知ってるか。」



「…………知らない。すまない。」




二人でうーん、と首を捻って考える所を見て円堂の鼻血が更に増えた事は俺達だけ知らない。



怪我
(から始まる疑問)(知ってはいけない、)








豪炎寺と鬼道はキャプテンの花ですはい。キャプテンキモくてごめんww

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