離れていても
『今ホテル着いたよ』
「うん、お疲れ様」
なぎくんは出張が多い。大きな会社の社長さんだから忙しいのは付き合っている時から分かっていたし、寂しいけれど不満はない。こうやってちゃんと連絡もくれるから浮気の心配もいらないし。
『疲れたから真子のこと抱き締めて寝たかったー』
「明日帰ってきたらいっぱいぎゅってしようね」
普段仕事してる時はすごくカッコいいのに、私にだけ甘えん坊なところも見せてくれる。嬉しいし、もっと甘えさせてあげたいなぁと思う。私がなぎくんを癒してあげられたら。
『真子、今何してる?』
「お風呂上がって紅茶飲んでるよ」
『どんな服着てる?』
「いつものパジャマだけど」
『パンツは?』
「履いてるよっ。急に何でそんなこと聞くの?」
『履いてるのは分かってるよ。どんなパンツ?』
「あ、そっか。えっとね、今日は赤の……ん?」
『ああ、あの真ん中に白いリボンついてるやつね』
「なんでわかるの……。でも、なんでそんなこと聞くの?」
『真子のこと思い出して抜こうかなって』
ななな、なんてこと……!動揺して携帯を落としそうになる。
『真子の顔見たい』
そう言われたら、私もなぎくんの顔見たいけどさ……。すぐにテレビ電話がかかってくる。ボタンを押せば、確かにホテルにいるらしいなぎくんが見えた。
『真子、今日も可愛いね』
「う、あ、ありがと……」
照れ臭いけれどとても嬉しい。なぎくんはいつもこうやって私が喜ぶことを言ってくれる。その度にドキドキするんだけど、今日はもっとドキドキすることを言われた。
『可愛い真子のパンツも見たい』
「えっ!!」
ななな何言っちゃってるのこの人は!さっきもぬ、抜くとか何とか言ってたけど……!
『ほら、パジャマ脱いで』
「む、無理だよ!」
『パジャマだからもうブラはつけてない?ボタン外してみよっか』
「なぎくんってば……」
画面に映るなぎくんは、いつも私を抱く時みたいにギラギラした目をしてる。もう、この目に弱いんだってばぁ……
「ちょ、ちょっとだけだからね……?」
『うん、ちょっとだけ』
プチ、プチ、とボタンを外していく。なぎくんにじっくり見られていると思うと恥ずかしい。
『乳首見せて』
「んー……」
いつも見られてるのになんでこんなに恥ずかしいんだろう。でも、なんだかやらしい気持ちになってきちゃった……
「こうでいい……?」
『うん、可愛い。あー、舐めたいなー。真子、指によだれつけて触ってみて?』
「う、うん……」
もう抵抗するのを忘れている私。ちろっと右手の人差し指を舐めて、乳首に触ってみる。
「んんっ」
わーもうやらしいよぅ。なぎくんじゃなくて自分の指なのに、ぷっくりと乳首が勃ってくる。いつもなぎくんがするみたいにコリコリと弾いたり、摘んだり。
『真子、えっちで可愛いよ。おっぱいだけじゃ物足りないでしょ?』
「うん……」
携帯をベッドに置いて、ズボンとパンツを脱ぐ。生暖かいねっとりした水がお尻まで垂れるし、動くとねちゃって音がするし、えっちだ……。
『開いて見せて?』
脚を開いて、携帯をそこに寄せる。なぎくんに見られていると思うと恥ずかしくて。
「なぎくぅん……」
『すっげーエロい。クリ触ってみて?俺がいつもしてるみたいに』
なぎくんがしてるみたいに。なぎくんはいつも……、そうだ、人差し指と中指を使ってる。2本の指でクリクリしたり、挟んだり、先をツンツンってしたり。思い出しただけでトロンと熱いのが溢れてきた。
『真子、濡れてるよ?何思い出した?』
「いやっ、やだぁ、はずかしい……」
『自分の指を俺の指だと思ってして?』
なぎくんの指を思い出す。長くて血管が浮き出てて私を気持ちよくしてくれる、あの、指。
「ひぅ、んんんんっ」
『クパクパしててすっげーエロい。もうイきそ?』
「ん、ん、なぎくん……」
うう、なぎくんにぎゅってしてほしいよう。なぎくんの温もりを思い出しながら指の動きは速くなっていく。くちゅくちゅといやらしい音が聞こえてきて更に興奮が高まっていく。
「なぎくん、イっちゃいそう……っ」
『ん、いいよ。イって?』
「あ、あ、あああ、ああっんん……」
ビクンと身体が痙攣して頭が真っ白になる。肩で息をしてぼーっとしていると、電話からなぎくんの声が聞こえた。
『帰ったら抱き潰すから覚悟してて』
明日が待ち遠しいなんて、多分バレてるだろうけど恥ずかしくて言えない。