次の日。今日から新しい案件だ。洋平が用意した新しい制服に袖を通す。遺族は孫一人。面倒な女でないことを願いながら、俺は家を出た。
まずは孫に会う前に本人だ。その老人が入院しているらしい病院へ向かう。その途中、怪しまれないよう花を買った。ただの見舞いだと周りに偽るために。資料によると、その老人はひまわりが好きらしい。ひまわりの花束を買い、病院に入った。
名前を確認し、部屋に入る。そして、カーテンを開けた。ガリガリに痩せた女と目が合う。女は、俺を見て笑った。
「綺麗な男の子ね」
と。
「昔、主人が亡くなる時に言っていた。死神は綺麗な男の子だよ、と。本当だった」
穏やかな顔。自分の死期が近いことを悟っている。その時だった。
「おばあちゃん、おは……」
カーテンを開けた女と目が合う。それは、あの、変な女だった。