抗えない04
ホテルに入るとすぐに抱きすくめられ、そして熱いキスを受けた。私は彰くんのシャツを握って応える。食べられそうなほど濃厚なキスに膝がガクガクして立っていられなくなると、彰くんは腰を抱いて微笑んだ。
「キスだけでトロトロ?」
至近距離でその笑顔はヤバい。濡れちゃう。彰くんはそんな私を見て色っぽい笑顔をしながらさっと抱き上げた。簡単に抱き上げられることにまたときめくし、お姫様抱っこなことにもときめくし、さっきまでアンチ彰くんなんて言ってたのはどこの誰だと自分自身に突っ込みたい。
「見せて」
服を全部着たままベッドに寝かせられ、脚だけ大きく開かされる。スカートと下着しか身につけていない下半身はスカートが捲り上がるともう丸見えで。彰くんがパンツをじっくりと眺める。これは見ているだけじゃない。"視姦"というプレイだ。
「あ、パンツに染みができてきた」
「っ、やっ、言わないで……」
興奮する。苦しいくらいに心臓がドキドキと鳴る。私の脚を持って押さえている彰くんの指がまた綺麗で、それにすら濡れてくる。
「パンツの上から弄っても感じるかな」
彰くんは片方の脚を離してそこに触れた。布越しでも身体がビクンと跳ねる。濡れているところから上の突起まで、ツーっと指でなぞられると感じない方が無理だった。
「あああっ、あっ、もっとぉ……」
はしたない。そう分かっていてももっともっとと求めてしまう。布越しじゃ、足りない。
「パンツの上からでもイケるか、試してみようか」
とっても楽しそうな声で彰くんはそう言った。そして突起をクリクリと押し潰す。
「ひゃっ、やああん、やっ、やっ、」
「クリトリス大きくなってきたね。舐めたいな。美味しそう」
腰が浮く。直接じゃなくてもどかしいけれど、布に擦れて気持ちいい。
「イく、イく、イッちゃう……!」
絶頂に身体が導かれかけた時、彰くんが突然指を離した。
「……!」
目の前に見えた彰くんは、何故か驚愕の表情をしていた。今の状況が信じられないみたいな、そんな。
「っ、また……っ」
そして私の身体の上から飛び退いた。そんな反応されると傷付くんだけど。絶頂寸前まで上り詰めた私の身体は火照ったまま疼いている。
「彰、くん、もう終わり……?」
起き上がり、彰くんの脚に触れる。ビクッと身体が揺れた。
「彰くん……?」
「俺じゃ、ない」
「え?」
「俺じゃない!」
彰くんはそのまま立ち上がり、走って部屋を出て行ってしまった。
「お、置き去り……?」
半裸のまま、私は呆然と呟いたのだった。