koneta

05/17,15:31@翔×すず(甘い世界)


 珍しく翔さんが泥酔して帰ってきた。

「悪い、調子に乗って飲ませすぎた」

 送ってきてくれた悠介さんが申し訳なさそうに言った。大丈夫ですよ、と笑顔を見せて翔さんの顔を覗き込む。

「寝室まで持っていくわ……あ?」

 目が合った途端、翔さんの瞳がギラッと光った気がした。あ、と思った瞬間にはその場に押し倒されて、服の中に手が入ってきた。

「すずちゃん、すずちゃん、俺の可愛いすずちゃん」
「ちょ、ま、翔さん、悠介さんが……っ」
「好きだよ、愛してるよ、すずちゃん」

 ちゅ、ちゅ、と首筋にキスを落としていく翔さんは、私の脚を大きく開いて中心に腰を押し付けた。……もう、大きくなってる……

「あー、すずちゃん。止めたほうがいい?帰ったほうがいい?」

 悠介さんは呆れたように上から見下ろしている。どう言ったら分からない。だって帰ってって言ったらこのままえっちに突入するのバレるし……、うう、恥ずかしい。

「今日もいーっぱい中に出してあげるね」

 身体を起こした翔さんはそう言って舌舐めずりをした。……ダメ、これ止まらないやつ。
 ずるんと履いていたショートパンツとパンツを脱がされた。急いで悠介さんが目を逸らした。

「あー……、悪いけど帰るわ。すずちゃん、ごめんな」
「えっ、あっ、悠、ひっ」

 悠介さんに謝ろうとしたのに変な声が出た。翔さんのそれがぴとっと押し付けられたからだ。

「俺以外の名前呼ばないで」

 珍しく拗ねたような声。驚いていると、次の瞬間にはずぶ、と奥まで挿入されてしまった。圧迫感と、いきなりの快感。目を見開いて背を仰け反らせる。いつもより、翔さんが、熱い。

「すずちゃんのナカ、俺のこと覚えてるね。だっていきなり挿れても気持ち良さそうにうねって俺のこと締め付けてくる」
「あっ、はっ、ああっ」
「すずちゃんの子宮、俺の精子でいっぱいにしてあげるね」

 耳元で囁かれて、その後は散々だった。いつもみたいに的確に気持ちいいところを攻めるような腰遣いじゃなくて、ひたすら欲望をぶつけるような攻めに、私のナカは面白いほど悦んで。

「すずちゃん、まだ終わりじゃないから」

 意識を飛ばしそうになる度にそう言って奥を突かれて引き戻される。いつも優しくて私のことを気遣ってくれる翔さんの、新たな一面を見たのだった。

***

「ごめんなさい……」

 翌朝……、というか昼だけど。ようやく酔いが覚めたらしい翔さんがベッドの上で土下座した。ちなみに私は執拗に翔さんに抱かれたせいで指一本たりとも動かせない。

「俺、いつもすずちゃんのこと大事にしたいって、すずちゃんに無理させたくないって思ってるんだけど……」

 これやばいな。反省通り越して自殺しそうな勢いだ。

「いえ、あの、確かに動けないけど、嫌じゃなかったし……」
「……昨日」
「え?」
「飲んでる時にすずちゃんは可愛くていい子だから俺にはもったいないって話になって」
「……」
「そうだよなぁ、って、思って……」
「ふふ」
「え?」

 突然笑った私に翔さんが不思議そうな顔をしている。翔さんにとったら笑うところじゃないもんね。……でも。

「私もよく同じこと考えてたから。翔さんみたいな人でもそんなこと思うんだって思って」
「お、俺はすずちゃん以外の女の子に興味ないし、世界一可愛いと思ってるよ!」
「私もです。私も翔さん以外の男の人に興味ないし、世界一素敵だと思ってます」
「すずちゃん……」
「それで飲み過ぎて我を忘れるなんて、翔さん可愛いですね」

 翔さんはポカンとした後、「こんなおじさんに可愛いはないでしょ」と苦笑いした。どうやら普段の翔さんに戻ったみたいだ。

「ごめんねすずちゃん。愛してるよ。これからもよろしくね」

 翔さんは隣に寝転んで私をぎゅっと抱き締めた。ああ、悠介さんのことは言うべきなのかな。そう悩んだけれど、結局言えなかった。


「俺は友人のセックスを見る趣味はねぇ」

 次の日、悠介さんに全部聞いた翔さんはまた悠介さんと私に平謝りする羽目になったのだった。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -