koneta

11/12,06:05@祐二郎×ひより(ひだまりの庭)


「先生、ポッキーゲームしませんか?」

 突然のひよりの言葉に俺は持っていたマグカップを落とした。キャッというひよりの短い悲鳴に我に返る。

「あ、悪ぃ。俺がやるから」
「いえ、私が……」
「怪我すんだろ」
「あ、じゃあビニール袋持ってきます!」

 ひよりが走ってリビングを出る。一人になった部屋でとりあえず心臓を落ち着けようと試みる。
 何故急にあんなことを言い出した?今日は11月11日。確かにポッキーの日だ何だとひよりが言っていた気がする。そもそもひよりはポッキーゲームがどんなものか分かっているのか?

「先生、これ使ってください」
「おう、ありがとうな」

 袋を受け取る際に反射的にひよりの顔を見る。何故か唇に目が行く。最近の俺は煩悩に支配されている気がする。

「……ひより」
「はい」
「ポッキーゲームはしねぇ。俺以外の奴ともするな」
「えっ、あ、分かりました」

 今のあっさり具合から見てきっとどんなものか分からず言ってみただけなのだろう。大方入れ知恵したのは原田だ。

 後日。

「本当に申し訳ありませんでした……」

 ポッキーゲームがどんなものか知ったらしいひよりが真っ赤な顔で謝ってきた。その横でニヤニヤしていた原田を殴りたくなったのはきっと間違っていない衝動だと思う。
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