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使用人のはなし

 近代イギリスの使用人の生活は、身分社会であるがゆえにその主人の生活とは厳しく区別されていたようです。食事で言えば食べるものは別ですし、食べる場所も別。現代日本においても、できのいい使用人(政治家の家に入る家政婦さんとか)は主人と共に食事をすることはありません。

 ところがカモマイルの夢主家においては、たまに、使用人ズと夢主一家が共にテーブルを囲むことがあります。夢主父が堅苦しいことを嫌う性格であり、また夢主一家はいわゆる「成り上がり」であって別に良家でも貴族でもなんでもないから……という理由からです。
 それに加えて、幸村はもともと使用人ではなく、夢主父が息子のように可愛がっているという背景があるので、幸村は夢主一家と一緒にご飯を食べたりもします。
 河西は夢主一家と一緒に食事をすることはありません。夢主父や夢主にすすめられてお茶を飲むくらいはします。ごくたまに。
 メイドである夢主2は、お願いされたら夢主たちと一緒に食事をします。もともと大きな家に勤めていて、メイドとしてよくしつけられているはずの夢主2が平気で主人と食事をするのはとある理由からなのですが、ネタバレになるので割愛します。このあたりは連載終了後に番外編で書けたらいいな〜と思っています。
 仁王は単なるアルバイトなので、お店で雇われた、くらいの気楽な気分で仕事をしています。なのでやはり、夢主一家と一緒にご飯を食べることは平気です。

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 カモマイルにおいて、河西は家令、幸村は執事ということになっていますが、実際のところは職種の違いは皆無です。メイドの夢主2を含めて3人ともなんでもやる使用人です。3人で家事や庭の手入れ、宝飾品や家財の管理などを分担しています。夢主家がまだ3人しか使用人を雇えていないため、そうしないと仕事が処理しきれないのです。(というか、現状でもなかなか処理しきれておらず、ときどき業者やアルバイトを雇っています。仁王とか庭師とか。)
 じゃあなんで家令だの執事だのという職種名が決まっているかというと、これは「見栄」のため。カモマイルの冒頭(第一話?)で夢主が「急にお金持ちになったので、あわてて体裁だけ取り繕った」と言っていますが、まさにそれのせいだったりします。


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