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ささやかで素晴らしいものを知る跡部

 先日の日記の「跡部が小さな幸せを理解するようになったらいいな」の流れでとりとめもなく。
 跡部が日本に来て、春にテニス部のみんなとふざけながら(というかがっくんあたりがふざけているのを見ながら)河原でも歩いて、そこで地面一帯がイヌフグリの青に染まった景色を見て、こんなちっぽけな野草も園芸種に劣らない鮮やかな色を出すんだな、庶民くせえし俺様には似合わねえがなかな悪くないじゃねーの、などと思ってフッと笑ったらいいなと思う。それまで手入れの行き届いた庭(植物)しかまともに見たことがなくて、乗馬で遠出する折にイギリスの自然には触れてはいたんだけどじっくりは見ていなくて、日本に来て普通の中学生ズと過ごしてはじめてじっくり「普通の風景」に触れた、みたいな。最初は雑草だらけで雑然としていて庭園とは比べ物にならないような景色になんとも思わず、ただなんもねえな、美しくねえな、くらいにしか思っていないんだけど、ある日ふと下を見て一面の青に目を奪われる。とか。風景に限らず生活一般について、それまではなんとなく「普通(庶民)」は地味でつまらないと思い込んでいたんだけど、そして「普通」に安住することは確かに跡部にとってはつまらないんだけど、「普通(食事にしろ風景にしろ人間関係にしろ)」の中にもそれなりに美しい輝きがあるんだと、そういうことに気がついたらいいと思うんだ。

 なんかこう、「綺麗な理想の世界」とは一味違う、リアルな世界の醍醐味を知って成長したらいいなあと思うわけです。

 後は、夏にアイスを買い食いする跡部とか!(笑)普段はコンビニなんて行かないし、そもそも学校にはロールスロイスかリムジンあたりの高級車でお出迎えなので安いアイスなど食べる機会すらないんだけど。ジローあたりに「E〜、あとべ〜、たまには一緒に帰ってもE〜じゃん〜」と誘われ、それもそうだなと素直に納得し、結果みんなで一緒に帰ることになって、途中であまりの暑さに跡部は内心で(こいつら毎日こんな暑い中をわざわざ歩いて帰ってんのか……車はねえのか?)などと明後日の方向に思考を走らせ。その間にいつの間にやらコンビニでアイスを買うことになり、しかしいざコンビニに入ってアイスを選ぶ段階で普段食べるようなシェフ手作り高級アイスなぞ売っていないことにはたと気がつき、困り、それに気がついた宍戸がオススメを跡部に教えてあげて、跡部はそれを人数分カードで購入し。みんなで食べながら跡部はつい「不味い」と本音を言ってしまうが、それに宍戸が「悪かったな、貧乏舌で」と口をへの字にしたり、忍足が「こんなもんやで、コンビニに何を求めてるんや跡部は」とつっこんだりしてくるのを見て、ああこうやって仲間とわいわいすんのもいいもんだな、これならアイスは不味くてもいいもんだな、と思って、ついただの味の感想を越えて「たまには悪くねえな」って今の気分を正直に言ってしまったり。(そして宍戸に「どっちだよ!」とつっこまれる跡部。)

 ダイヤのきらめきはないけれど、荒く削られた岩の美しさを知るといい。

 ……跡部って馬は飼ってるよね。乳牛は飼ってるのかなあ?聞いたことないけど。しぼりたての牛乳とか自家製乳製品とかありそうだ。ジュースも材料買ってきてシェフが絞ってるイメージ。ああ、なんかフランスあたりにブドウ畑は持ってそうだ。もちろん別荘(城)つきで。


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