だって、だいすきなんだもん! | ナノ



 その日、わたしはエルヴィン団長に呼び出された。兵長の背中を見つけ、抱き着こうとした矢先のことだった。おかげで、ちょっぴり不機嫌だけど団長だから許す。団長イケメンだもん。許す。

「――というわけで、調査兵団からも特別指導教官を出すことになったんだ」

 教官数名に、それぞれの団で活躍している人員を揃え巨人に対抗できるよう、より多くの事を教えていく。ということらしい。実際、いつ巨人がココに侵入してくるかわからない状況だ。1つでも多く、知識を与えたい。そういうことなんだと思う。

「えっと、それが、私でいいのでしょうか」
「立体機動、対人格闘術については適任だろう?」
「……それ以外は、逆に教えてもらうハメになりそう」

 エルヴィン団長は口の端を上げた。勿論「そんなことはない」なんていう言葉が聞けるはずもなく。「しばらくは壁外調査より指導がメインになるだろう。ただ、人手はいつも足りない。きっとナマエの力を借りることもあるだろう。忙しくはなるが、平気かな?」肯定の返事をすれば、団長は重々しく頷く。

「まあ、それよりもリヴァイに会えない方が辛いか」
「……いいえ、そこはわたしも任務の遂行が第一ですので、リヴァイ兵士長に関しての支障はありません!」

 うそだーーーーーー! 兵長と会えないとか死ぬーーーーー! や、やべえよ、手がプルプルしてきた。なんか視界も眩むし。兵長、もしわたしが死ぬことが合ったら、死因は兵長不足です。兵長失調です。覚えておいてください。

「――今年の訓練兵の中には、すでに地獄を見ている子もいるだろう」
「そう、ですね」
「それじゃあ、頼んだよ」

 パサリ、渡された紙の束。規則等がびっしり書かれているのを薄目でみて、嫌になった。ああ、どうしよう。うまくやっていけるのかな。

特別指導って何ですか、エルヴィン団長
(「リヴァイ、特別指導の適任を探しているんだが」「ナマエでいいだろ」「――いいのか?」「しばらく平和でいい」)

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