堕落した生活 | ナノ



 記憶の話をしましょう。アナタは今、宣言的記憶の一部、エピソード記憶の中にコレを閉じ込めました。イベント(事象)の記憶です。時間、場所、感情を含み、その強い感情の一部が結びついたことによりコレは後々まで記憶されることでしょう。

 ただ、それだとアナタは苦しむだろうから。今回は、アナタの記憶を一部操作することにしました。デリート(削除)は大変危険ですので、深く、深く、そう海に例えて下さい。深海、真っ暗で何も見えない場所。その隅っこにコレをひっそり置いておきます。ただ、コレはアナタにとって重大なことだった。危ぶまれるのは閃光記憶。そう、フラッシュバックです。

 これからの日常生活の中で、もしコレが映像として浮かんだら……。そうだ、その時の為にトビラを用意しましょう。――できるよね? うん、それはよかった。ああ、ごめんねナマエさん。こちらの話だよ。……心配、しないでください。そんな顔をしないで。

 


 さあ、眠りましょう。ここはもう、安全ですから。ボクが着いていますよ。
 もし何かあったならナマエさんは、真っ先にボクの所に来る。それだけを、覚えていて。






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