僕に会いたかったって、正直に言ってしまっていいんですよ。




※ゲームからアニメにトリップしてしまった設定





「えっここどこ」
確か私はカナワ行きの電車の運転をするはずで、それでホームに向かってて、電車に乗って、それで………………………
「どーゆーことだ?あれか?近頃幽霊列車の噂があったしそれか?」
近頃ここバトルサブウェイでは幽霊列車が走るという噂をよく聞いていた。よくある怪談話だろ、とカズマサくんの話をスルーしてた五日前の私を殴ってやりたい。
「(それにしても……人が、いない)」
とりあえずじっとしてよう。どこか分からないなら動かないほうが得策だし。


「もし、そこのお方!」
はっ、とすれば近くから聞き覚えのある声。これはまさか!
「ノボリさん!?」
私が声を上げると、黒いコートを着た我らがボスの1人、ノボリさんがピクリと肩を揺らした。そんなに吃驚しなくても。
「ノボリ兄さん!そこに誰かいるの?!」
白いコートを翻して此方に向かってくるもう1人のボス、クダリさん。あれ、何か凄い違和感がする。何でだろう。

「クダリ、ここに女性がいきなり現れたのです」
おおいちょっと待て、それでは私がいきなりこちらに現れたみたいじゃないか、……………えっ?
「二人共、私のこと解りませんか!?ナマエです!運転手の!」
私がそういうと、クダリさんが首を傾げた。別に可愛いなんて思ってませんし。ええ。
「ノボリ兄さん、ギアステーションに運転手、ましてや女の子はいなかったはずだよね?」

「……………え、っ」
嘘でしょう、私が、分からない、知らない、いない、消えている、………?
「っ、!?」
がくん、と膝が折れた。
「気を確かに。我々がついています」
ファサ、とかけられたのはノボリさんの黒いコートだった。うわぁイケメン。私以外の女の子だったら惚れてるぜオイ。私もキュンとしたぜ………

「大丈夫だよ。君はきちんと家に帰してあげる」
クダリさんがにこ、と超いい笑顔で頭を撫でてくれた。やばいファンに殺されるかもしれない。

「あ、りがとう、ございます」
私は精一杯、笑った。






そんな事から1週間。まだ帰れる方法も何か分からないままだったが、二人の計らいにより、私は鉄道員として働いている。こちらの鉄道員さんもいい人ばかりだ。

私が、何個かこちらの二人について分かったことがある。
「ナマエ〜ナマエ〜」
ぎゅ、とクダリさんが抱きついてくる。もう1週間もすれば慣れてしまった。嬉しくない。
「クダリさん、仕事中です………重い、」
「だってナマエノボリ兄さんばっかり構って寂しい〜」
「(出た、クダリさんのノボリ兄さん呼び)」
この1週間で分かるようになったこと1つ目。
クダリさんがノボリさんを『ノボリ兄さん』と呼ぶということ。
あちら(前の世界、?)ではクダリさんは普通に『ノボリ』と呼んでいたので私は未だに違和感が拭えない。

「クダリ、あまりナマエに迷惑を掛けないように」
2つ目。ノボリさんは余りましを使わないこと。
あちらでは尋常じゃないまし率だったけれど、こちらでは普通だ。


3つ目、………二人のスキンシップが、異様に激しい。
まぁクダリさんはさっきの通り、出会い頭に抱きついてくる。ノボリさんは、……うん。
「ノボリさん、さらっと足を撫でないように」
何でしょう?としらばっくれるノボリさんもこちらでは通常運転、なのである。非常に残念だけど。

「ねぇ、僕何でナマエが彼処にいたのか考えたの」
4つ目、クダリさんは笑みを張り付けたままでなく、くるくると表情を変えること。
私的には笑みを張り付けているクダリさんよりこちらのほうが嬉しい。クダリさんが困り顔をするとノボリさんによく似る。

「奇遇ですねクダリ、わたくしも考えていました。」
5つ目、ノボリさんが笑うこと。
これは心臓に悪い。不意討ちでくるもんだから余計に悪い。くそう、これだからイケメンは!!

「「ナマエは、僕たち(わたくしたち)に会いたかったんだよね(ですよね)?」
「……………はい?」
ど う し て そ う な っ た 。
「勘違いもいいとこですよボス、とりあえず仕事にー………」
がしっ、とクダリさんに腰をホールドされ、くいっとノボリさんに顔をあげられ。
やばい確実に死ぬ。心臓爆発する。私こんなに男性と顔近づけたことない!

そしてボスたちは声を揃えてこう言った。

僕たちに会いたかったって、正直に言ってしまっていいんですよ。


「二人とも口調が違う!」
「でないとナマエにお仕置きをしなくてはいけませんね?」
「うわぁノボリ兄さん鬼畜!でも加勢するね!」
「スルー!?うわあああああやめて下さいいいいいい!!!!!」


title:確かに恋だった

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