HELLO,My girl!!
「今日も一日お疲れ様でした、っと」

一人で上機嫌になりながら家へとむかう。明日は久しぶりの休み。明日はタレントに衣装のことをぐちぐちと言われずに済む!プロデューサーとかにセクハラされずに済む!と思うと心が弾んだ。セクハラとか、本当は誰かに言えば良いのだろうけれど、仕事の相手上、下手に行動は出来ない。タレントでも、好きだだの付き合ってだの、何回断ったか。
わたしは仕事があればいい。男なんかに目を配る余裕は今のところ全くない。

ドアの前まで来て鍵を探そうとバックの中を見ると、下からにゃあん、と声がした。猫の声である。そっと下を見てみると、茶色の猫がわたしにすり寄っていた。すごく可愛い。こう見えてもわたしはだいの動物好きである。

「何処から来たのかな〜?飼い主さんは〜?」

茶色の猫はふるふると体を震わせた。野良?でもどうやってここまで来たんだろうか。とりあえず外にいるのもなんなので、茶色の猫を抱いて家に入った。

茶色の猫はわたしの腕でおとなしくしている。顔を舐めたり、すり寄ってみたりといろいろやっている。
不意に、茶色の猫がチューしようとしてきた。わたしもそれに応じる。

「ありがとう、My girl」

茶色の猫とキスしたら、何故か綺麗な男のひとが出てきました。
これがわたしの生活を変える出会いだったなんて、わたしは気づかなかったのです。

「……………まい、がーる?」

わたしがやっと言葉が出たのは数秒経ってからだった。まさか猫が人になるとは思わず、しばらく目をぱちくりとさせていたわたしは、その男の人を見た。

明るめの茶髪は毛先がカールしていて、薄い色素の垂れ目はくりんとしておりかわいらしい雰囲気を漂わせている。しかし、同時に大人の雰囲気をも漂わせて……うん、凄い人だ。アイドルみたい。肌もとても綺麗。羨ましいかぎりだ。

まじまじと見ていると、流石の僕ちんもそんなに見つめられると困るな〜と苦笑いしていた。いけないいけない。

「じろじろと、申し訳ありませんでした」

「あっ、いいよん!気にしないでっ!……今更なんだけど、名前、聞いてもいい?」

「…名字名前です」

「名前ちゃんねっ!僕は寿嶺二!職業はアイドルだよんっ」

よろしくマッチョッチョ☆と軽快に挨拶をされたが、わたしは深く考え込んでいた。名前、どこかで聞いたことある!アイドルならば、きっと何処かで関わっているはず………!ううん、と唸っていると寿さんが名前ちゃん、唸ってるよ〜と眉間のシワをつついた。

「寿さん、わたしたち何処かで会ったことありませんか?」

「なぁに?ナンパ?」

名前ちゃんのナンパなら着いていこっかな〜あ、嶺ちゃんでいいよん!と寿さんが軽快な感じでお話をしているが、私は目の前で起こっていることに違和感を感じられずにはいられなかった。


HELLO,My girl!!
(不思議な出会い)
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