繋いだ掌はまるで互いの心臓を握ってる
SSL記憶あり転生設定です。


「年が明けたな」

「そうだね、2014年だって!」

アイドルが歌を歌っているのを見ながら名前は言った。
この時期は学校も休みで、職員である俺たちも休みだった。新選組……前世では考えられなかった元旦の過ごし方だ。炬燵にふたりして入って、実家からよくもまあこんなに大量に送られてくるなぁと皆に言われるみかんを頬張りながら笑った。

「明けましておめでとう。今年もよろしくな」

「仕方ないからよろしくしてあげるよ」

と笑いながら俺にもたれ掛かってくる名前はなんだか嬉しそうだ。

「なんか嬉しそうだな?」

「今年も無事に二人で新年を迎えられて嬉しいんだ、とっても」

向こうじゃ、考えられなかったことだから。そう言って少し泣きそうな顔をして笑う名前。

前世が自分とは思わない。平和な世の中に生きてこられたことに感謝している。けれど、自分の中に残る『新選組十番組組長 原田左之助』が、その油断のできなかった元旦の記憶を呼び起こすのだ。
名前もきっと同じ。失ったものは取り戻せないし、過ぎた時間は巻き戻せない。けれど、昔のことを思っては胸を痛めてしまうのだろう。

「この時代に、また左之さんと出会えてよかったって本当に思うんだ」

だから、もう置いていかないで。そう呟く名前は消えてしまいそうで。

「誰が置いていくかよ、」

もう、この手を離さないように、しっかりと握った。





繋いだ掌はまるで互いの心臓を握ってる
(どくん、どくん、生きている)




大遅刻ハッピーニューイヤーでした!
2014年おめでとうございます!
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