騒がしいのは君の心臓だけじゃない
「ランちゃん、今日誕生日なんだってね」
「えっレンそれ本当!?」
わたし、蘭丸の彼女なのに蘭丸の誕生日を知らなかった。蘭丸はなんにも言わないし、うう、調べておくべきだった………
「レン、どうしよう!」
わたしが泣きそうになっているとレンがぽんぽん、と頭をたたいた。
「俺はレディがいればランちゃん嬉しいと思うけどね……料理とかどうだい?」
「……レン、わたしが料理苦手なの知ってるでしょ」
でも、料理以外に思い付かない!ああっ、どうしよう!
……とかなんとか考えていたら、夜になっていました。ちくしょー!!!わたしは号泣だよ!!!
愛車の中でうなだれる。
ロケ先のショップに蘭丸に似合いそうなものがあったから購入したはいいけれど。まず会えるかどうかも決まっていない。うう、彼女なんだから連絡してもいいんだけど!………はぁ、と携帯の画面を眺めていると電話がきた。…………嶺二かいっ!
「はいはーい……」
『やっほぉー名前ちゃーん!元気ぃー?』
「相変わらずテンション高いね……」
こっちはテンションだだ下がりだよ。と心の中で呟くと、電話から会いたかった人の声が聞こえた。
『名前ーーーー!』
『わーっランラン叫ばないでっ!というわけでー、ランラン迎えに来て!名前ちゃんっ☆』
「はぁっ?」
会えるのは嬉しいけども……わりと近くの居酒屋の名前を告げられたので、わたしは愛車を走らせた。
「一体、何を飲んだらこうなるの?」
呆れ顔で嶺二に問うとえへーとだらしない顔で蘭丸を指差した。
「さっきからランランが名前〜!名前〜!ってうるさくって☆」
後よろしくね〜!と強引に蘭丸を押し付けられ、今は蘭丸を家に送っている。
「あ゛ー………名前」
「珍しいね、蘭丸がそんなに酔うなんて」
「誕生日だからって飲まされた……」
「そっか、いい忘れてたけど誕生日おめでとう」
「おう」
なんかねーのか?と蘭丸が喉でくつくつと笑っている。蘭丸の頭をぐい、と寄せてキスして、蘭丸の右手に小さめの箱をおく。……………やばい、かなり恥ずかしいことした。…………信号、早く変わってくれ。
二人して顔が真っ赤になっていて、わたしたちなにやっているんだろうって思いました、まる。
騒がしいのは君の心臓だけじゃない
恥ずかしい人になってしまいました……ランラン誕生日おめでとう!