1000hit記念企画
彼は今日から女の子?01
へたっと腰のあたりから力が抜けて空中に尻餅をつく。幽霊になっても腰が抜けたりするなんて初めて知ったよ!できればこんな状況で知りたくなんてなかったけど!おまけに覚えたはずのイタリア語も母語の日本語さえもうまく口から出てこない。嘘でしょ。そうとしか言えない状態だった。
指先が痙攣しているみたいにビクビクと震えてるけど指の先にはこの部屋の主、と思しき人。珍しくシャツを着てご就寝なさったらしい。下履いてないけどこの際だからどうでもいいや。
なんでこんな曖昧なぼかした表現なのかというと。
「あ?」
いつも通り男性らしい疑問の声は少し低いけれど間違いなく女性のそれで。顔だってちょっとどころかすっごく怖そうな顔立ちだけど、目が少し大きくて、昨日はなかった丸みを帯びている。しかも背は若干縮んでる。縮んでも下手な男性よりおっきいけど。身体もなんかどっかの彫像を思わせるようなきれいなカーブを描いている。それだけでも他の人が見たら卒倒モノ。でもそれ以上に目を引くのは。
男物だろうやや細身といえど十分胸囲がある彼のシャツの前たてを歪める2つの膨らみ。くるくると彼の周りを見ていても、もうそこにしか目が行かない。ボタンがはち切れるとまではいかないけど、肩を後ろの方に回せば下の素肌が見えてしまうかもしれない。私が生前(多分)憧れても持ち得なかったでっかいおっぱいだ!すごい!ちょっとずるいよ!
「ねえちょっとそれ触ってもいい?ていうか触らせて!触るよ!!」
「冷てえ!」
了承なしにおっぱいをもみもみしていたら拳骨を頂いた。足首まで床にめり込む。久しぶりにかなり容赦のない一撃を食らった。でもバッチリ触れた。感触はわからないけど指がふにっと沈んで柔らかそうだった。……疑いようもなく女の人だ。そしてやっぱりXANXUS君だ。
うっそーん。XANXUS君が女の子になってる。しかもぼいんぼいんのちょっと怖いけどきれいでぼいんぼいんの女の子!!
「おはよう。性転換手術でも受けたの?」
「本気でそう思ってるなら今すぐ成仏しろ」
「ゴメンナサイ。でもXANXUS君どう見ても女の子だよ!ぼいんぼいんだし!ぼいんぼいんだし!」
「なんで乳に執着するんだ」
「だってそんなおっぱいずるい」
「だから冷てえっつってるだろドカスが!!」
今度は部屋の外にふっ飛ばされた。いいじゃんちょっと触るくらいー。戻ってきてブーイングすると本気で怒っていそうな目を向けられた。遊ぶのも程々にしないと当面口聞いてもらえなくなっちゃう。
「ごめん」
「……そんなに乳が気になるなら自分の乳増やせばいいだろ」
「なんかそれは負けた気がするからイヤ」
「贅沢いいやがって」
見た感じ迫力があるけど割りと品が良い顔立ちでもあるからちょっとおしとやかな喋り方するとすごくいい感じになると思うんだけどな。実際はこんな感じだから威圧感半端ないけど。性別変わってもぶれない辺りさすがXANXUS君だなあ。
「おい」
「なーに?」
「お前の仕業じゃねえのか」
「違うよ。なんでそんなことしなくちゃいけないのさ」
「原因不明か」
クソが。そう悪態をつくのを聞いて、彼のこの変化がまったくもって不本意なものだったということをようやく思い出した。……そうだよね。悩んでるとこ茶化されたらそりゃすごく不快だね。
「ごめん。XANXUS君が悩んでることすっぽ抜けてた」
「てめえの小せえ脳みそには期待してねえ」
「……怒ってる?」
「もういい」
「ごめんなさい」
ちょっと一旦席を外したほうがいいのかな。そう思って立ち上がろうとすると、XANXUS君が私をじっと見据えた。その目はどことなく怒ってるような、すねてるような……ダメだ、性別が変わって微妙に顔の印象も変わってるせいで細かい変化が読めない。
「洗濯板だってことからかってたからおあいこだろ」
なにがとは言われなくてもわかる比喩。思わず自分の体を見下ろす。うん。爪先がバッチリ見える。きっとXANXUS君の視点から彼が自分の体を見下ろせばおっぱいに遮られて爪先見えないんだろうなあ。
「にしても邪魔でしょうがねえ。足元が見えん。それに肩がこる。終いには無駄に揺れるときやがる」
「嫌味?ねえ嫌味?」
「よく女共はこんなもんブラ下げて歩いてるな」
「嫌味なの?もしかしてさっきのまだ根に持ってる?」
「てめえみたいにない方がいいかもな」
「嫌味だね!?やっぱり嫌味だね!!」
「洗濯板のほうが動きやすいのは事実だろ」
「本当にゴメン私が悪かったからそれ以上傷えぐらないで」
徹底的にやり込められて、ない涙が出そうになった頃、ご満悦な表情のXANXUS君(今はちゃん付した方がいいのかな?)がぶっはーはっははーと豪快に笑った。その顔でその笑い方はすごい違和感あるよ。でも指摘してもどうせそのままだろうし、これ以上胸のことを言われるのも精神衛生的に良くないから黙っていることにした。
それにしても、どうしてこうなったんだろ?
指先が痙攣しているみたいにビクビクと震えてるけど指の先にはこの部屋の主、と思しき人。珍しくシャツを着てご就寝なさったらしい。下履いてないけどこの際だからどうでもいいや。
なんでこんな曖昧なぼかした表現なのかというと。
「あ?」
いつも通り男性らしい疑問の声は少し低いけれど間違いなく女性のそれで。顔だってちょっとどころかすっごく怖そうな顔立ちだけど、目が少し大きくて、昨日はなかった丸みを帯びている。しかも背は若干縮んでる。縮んでも下手な男性よりおっきいけど。身体もなんかどっかの彫像を思わせるようなきれいなカーブを描いている。それだけでも他の人が見たら卒倒モノ。でもそれ以上に目を引くのは。
男物だろうやや細身といえど十分胸囲がある彼のシャツの前たてを歪める2つの膨らみ。くるくると彼の周りを見ていても、もうそこにしか目が行かない。ボタンがはち切れるとまではいかないけど、肩を後ろの方に回せば下の素肌が見えてしまうかもしれない。私が生前(多分)憧れても持ち得なかったでっかいおっぱいだ!すごい!ちょっとずるいよ!
「ねえちょっとそれ触ってもいい?ていうか触らせて!触るよ!!」
「冷てえ!」
了承なしにおっぱいをもみもみしていたら拳骨を頂いた。足首まで床にめり込む。久しぶりにかなり容赦のない一撃を食らった。でもバッチリ触れた。感触はわからないけど指がふにっと沈んで柔らかそうだった。……疑いようもなく女の人だ。そしてやっぱりXANXUS君だ。
うっそーん。XANXUS君が女の子になってる。しかもぼいんぼいんのちょっと怖いけどきれいでぼいんぼいんの女の子!!
「おはよう。性転換手術でも受けたの?」
「本気でそう思ってるなら今すぐ成仏しろ」
「ゴメンナサイ。でもXANXUS君どう見ても女の子だよ!ぼいんぼいんだし!ぼいんぼいんだし!」
「なんで乳に執着するんだ」
「だってそんなおっぱいずるい」
「だから冷てえっつってるだろドカスが!!」
今度は部屋の外にふっ飛ばされた。いいじゃんちょっと触るくらいー。戻ってきてブーイングすると本気で怒っていそうな目を向けられた。遊ぶのも程々にしないと当面口聞いてもらえなくなっちゃう。
「ごめん」
「……そんなに乳が気になるなら自分の乳増やせばいいだろ」
「なんかそれは負けた気がするからイヤ」
「贅沢いいやがって」
見た感じ迫力があるけど割りと品が良い顔立ちでもあるからちょっとおしとやかな喋り方するとすごくいい感じになると思うんだけどな。実際はこんな感じだから威圧感半端ないけど。性別変わってもぶれない辺りさすがXANXUS君だなあ。
「おい」
「なーに?」
「お前の仕業じゃねえのか」
「違うよ。なんでそんなことしなくちゃいけないのさ」
「原因不明か」
クソが。そう悪態をつくのを聞いて、彼のこの変化がまったくもって不本意なものだったということをようやく思い出した。……そうだよね。悩んでるとこ茶化されたらそりゃすごく不快だね。
「ごめん。XANXUS君が悩んでることすっぽ抜けてた」
「てめえの小せえ脳みそには期待してねえ」
「……怒ってる?」
「もういい」
「ごめんなさい」
ちょっと一旦席を外したほうがいいのかな。そう思って立ち上がろうとすると、XANXUS君が私をじっと見据えた。その目はどことなく怒ってるような、すねてるような……ダメだ、性別が変わって微妙に顔の印象も変わってるせいで細かい変化が読めない。
「洗濯板だってことからかってたからおあいこだろ」
なにがとは言われなくてもわかる比喩。思わず自分の体を見下ろす。うん。爪先がバッチリ見える。きっとXANXUS君の視点から彼が自分の体を見下ろせばおっぱいに遮られて爪先見えないんだろうなあ。
「にしても邪魔でしょうがねえ。足元が見えん。それに肩がこる。終いには無駄に揺れるときやがる」
「嫌味?ねえ嫌味?」
「よく女共はこんなもんブラ下げて歩いてるな」
「嫌味なの?もしかしてさっきのまだ根に持ってる?」
「てめえみたいにない方がいいかもな」
「嫌味だね!?やっぱり嫌味だね!!」
「洗濯板のほうが動きやすいのは事実だろ」
「本当にゴメン私が悪かったからそれ以上傷えぐらないで」
徹底的にやり込められて、ない涙が出そうになった頃、ご満悦な表情のXANXUS君(今はちゃん付した方がいいのかな?)がぶっはーはっははーと豪快に笑った。その顔でその笑い方はすごい違和感あるよ。でも指摘してもどうせそのままだろうし、これ以上胸のことを言われるのも精神衛生的に良くないから黙っていることにした。
それにしても、どうしてこうなったんだろ?
×