何度この血を怨んだんだろう……。




何十年何百年、否何千年生きてきたんだろう……。



数なんて覚えてられない程で、そんな終わりの見えない未来がある自分が大嫌いで、友達のようなものすら作らなかった。そんな私の唯一の光はリリー・エヴァンスだった。私がベッドのカーテンを閉めきって、マグルの世界から取り寄せた輸血をチューブから飲んでいた時だった。偶然落とした羽ペンを私に渡そうとカーテンを彼女が開けてしまって、間抜けな事に思いっきり血を飲んでいる所を見られてしまったのだ。これが私、アリア・オーランド…否アリア・クランとリリー・エヴァンスの出会いだった。





しまった。うっかり錯乱呪文すらかけ忘れていた。相手はたしか同室の、リリー・エヴァンス…。きっと、他の人間にもバラされる。そうしたらまた、………迫害される。逃げるべきか、それより忘却呪文の方がいいか?混乱している私に向かって彼女はおずおずと口を開いた。


「貴女…吸血鬼なの?」

「……………そうよ」

「どうして…ホグワーツに?」

その言葉についカッとなってしまった。く、やしい…っ!


「吸血鬼は来てはいけないのかしら?人間のみに、古は継げないというのか?!」

「そんな事を言ってるわけじゃないわ!…私だって、マグル生まれよ?血に関してはすごく言われてきたから貴女の気持ちは分かるのよ」

「笑止、貴様と一緒にするのか!気が遠くなる程生きている私と!」


「私は貴女と友達になりたいのよ!」


久しぶり、否初めて私に向かって友達、という言葉を発する人間を見た。大抵は恐れ迫害する類の言葉しか聞かないからだ。彼女の翡翠の瞳は濁りなく、真っ直ぐ私を見つめてきた。

「…私は、血を吸わなければ生きれぬイキモノなのだぞ?」

「関係ないわ、そんなもの」

「本当に、私と友達に…?」


堅苦しい言葉を使っていた私は思わず子供のような問いを彼女に漏らした。そのギャップに少し驚いたようだったが、太陽のような笑みを私に向けてきた。


「勿論よ、リリーって呼んでね」


私は、心から笑う事ができそうな気がした。私はこの時を、待っていたのかもしれない。

「アリアと呼んでくれ」




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