グリフィンドールの監督生、リリー・エヴァンスは優秀な生徒として周りからは一目置かれている人物である。そんな彼女が校則を破り真夜中に寮を抜け出している事に気が付いたのは、毎日彼女に愛を叫んでいる(迷惑な)男、ジェームズ・ポッターであった。つい先日完成させた忍びの地図で、ホグワーツ全体を熱心に覗きこんでいた時だった。


「あれっ!愛しのリリーが寮を抜け出してるよ!?」


同室であるシリウスとリーマスは、奴はとうとう幻覚を見たのかと疑わしげに地図を覗いてみた。すると、1つの点が誰も居るはずのない教室でうろうろしているのだった。点の側にはリリー・エヴァンスという文字。


「本当だね、あのエヴァンスが」

「…幻覚じゃなかったのか」

「間違い、とかじゃないよね……」


「皆はこの僕を変人扱いかい!?まあ僕も最初は地図の故障かと思ったよ」


でも違うんだよね、と杖先で地図をなぞる。杖先が灯り、魔法は完璧に、寸分の狂いもなく作用しているのは明らかだった。


「じゃあ優等生の中の優等生のエヴァンスがなんでこんな時間に出歩いてるんだろうね?」


「これは、調べてみなきゃだね!」
キラキラと瞳を輝かすジェームズ。新しい玩具を見つけた子供のような顔だった。しかしシリウス達もさすがにこれには興味を持った。うとうとと眠りかけているピーターを(激しく)叩き起こし、4人は寮を飛び出した。部屋に置いておいた地図が、同じ時間に他の人間も寮を抜け出した事を表していたが、その時は誰も気付く事はなかった。

- 1 -

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -