アリアが落とし物に気付いたのはリリーと部屋に着いてからであった。ポケットをゴソゴソ漁っても目的の物が出ないので、やっと気付いたのだった。


「ない、ない…チューブと封筒が!」

「どうしたのアリア?」

「チューブを入れた封筒を落としたの」

「なんですって!?…もしかしてポッター達に絡まれた時に落としたのかしら?…最後に受けた魔法薬学を見てくるわ」


リリーの後に続き慌てて談話室へ降りて落とした思われる所を手探りで探してみる。そんなアリアに影をかけた者がいた。


「お探し物はコレか?」

「!ミスターブラック…それを、返して下さい!」

「なんで俺んちの嫌ーな紋章がついてんだよ?」

「私の家で、ちょっと交流があるだけです!普通でしょう?」

「ハッ!あの超純血主義の家が、純血だか分からない家と交流なんて持たねーよ」

「私の家を、一族を見下げるな!貴様も純血主義じゃないか!」

「あの家と一緒にすんじゃねーよ!俺は家を出たから関係ないんだよ」


そう言った途端、アリアから異常な程の殺気にも似たものを感じた。それが大量の魔力と気が付いて思わず汗が流れた。小さな声ではっきりと彼女は言う。


「ブラック家の嫡男でしたなら少しは事情を知っていると思ってましたが、勘当されては知らないわけですね」

「何のことだよ」

「…っ、家を出た貴方には、関係ありません」


引ったくるように封筒をひっつかむと彼女は女子寮へと逃走した。追いかけようと思えばできるが、今さっき言われた事が頭の中で繰り返す。


「俺が知らない所でブラック家は…それとも、忘れさせられたのか?」

- 11 -

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -