夕食の時間、大広間の入口でリリー・エヴァンスが来るのを待っていた4人は、赤い髪の美しい少女を見つけるとすぐに周りを取り囲むように立ち塞いだ。リリーは顔をしかめた。相当嫌なようだったが、そんな事を気にするジェームズではなかった。


「ねえリリー!ちょっといいかな!?」

「気安く名前で呼ばないでポッター!貴方と話す事なんてこれっぽっちもないわ!」

「おいエヴァンス、少しは話ぐらい聞けってーの」


思わずシリウスも声を荒げた。鋭く睨み合う者が2人、冷たい態度に極端に落ち込む者が1人、また優雅にチョコレートにかぶりつく者が1人、ただこの状況におろおろする者が1人。とりあえず周りからはかなり目立っていた。特にリリーとシリウスは一触即発な状態だ。そんな5人の元に1人のグリフィンドール生が近づいてきた。


「…リリー、行きましょう?ご飯は僕妖精に持ってこさせるわ」

「アリア…助かるわ」


少女は堅い表情のリリーに微笑んで、いるようにみえた。なぜならアリアと呼ばれてた女生徒は分厚い眼鏡をかけていて、口元しか表情を確認できないからだ。シリウスのような漆黒の髪を2つにきっちり結わえられている。監督生であるリーマスでさえあまり見たことのない生徒だった。


「リ、…エヴァンス、彼女は誰だい?」

「……同じ学年のアリア・オーランドよ」


「初めまして、アリア・オーランドです」


彼女の胸元にはグリフィンドール生のみが着けている赤いネクタイが結ばれていた。さらに衝撃だった。なんで、僕らは彼女を知らないんだ?


「さあ、行きましょうかアリア」

「えぇ」


2人はその場を走るように立ち去った。残ったジェームズ達は、新たな問題に直面したようだった。


「ぼ、ぼく、あの女の子初めて見たよ」

「僕もだよ、ピーター」


「あいつ、誰なんだ…?」


灰色の瞳は彼女の後ろ姿を捉えた。すると一瞬アリアが振り返った。


「っ!」



嫌な、予感。

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